インド隊2016

東日本大震災から5年。今年は3月の追悼式にはじまり、9月にはナマステ・インディアの女川バージョンが開催されるなど、話題と出会いの多い年となった。その中から特に印象の深かったエピソードを綴りたい。

女川町追悼式2016

女川町追悼式2016
(写真:追悼式会場で神田瑞季(右)・祐子(左)母子から絵本を手渡されたシン武官)

まずは3月11日の追悼式。今年はスジャン・R・チノイ駐日全権大使の代理として参列した、サティンダー・シン防衛駐在武官が、式典にてインド共和国としての代表献花を務めた。その中の一つのエピソードとして、今年ご遺族代表のことばを述べられた神田瑞季さんのお話を。実は不幸にも津波で犠牲となった祖父、明夫さんの亡き骸を、なんとインド隊が発見したという。震災5年目にして明らかになった新事実。それをシン武官は知ることになった。式典が終わると瑞季さんとその母、祐子さんは武官に歩み寄り「祖父を見つけてくださり本当にどうも有り難うございました」と謝辞とともに深々と頭を下げ、その場に持参していた瑞季さんご自身の新刊絵本「なみだは あふれるままに | 内田麟太郎文 神田瑞季絵 | 書籍 | PHP研究所 」(2016.2.24発売)に自身の署名を入れ、それをその場でインド隊への感謝の気持ちを込めて、シン武官に手渡しました。またインド大使館図書室にその本をご寄贈いただきました。

ナマステ女川2016

ナマステ女川2016
(写真:まちなか交流館会場前で共演した女川港大漁獅子舞まむしの皆さんと)

次に、例年東京の代々木公園で9月に行われる「ナマステ・インディア」そのプレイベントがなんと女川で開かれ、しかも女川町を応援する「女川町ハウス」が代々木のイベント会場に登場するというのだ。凄いことだし、有り難い。主催者であるNPO法人日印交流を盛り上げる会代表長谷川時夫氏には本当に頭が上がらない。また、もう一つ嬉しいことには、元NDRF通訳隊の一人、渡邊太一がインド大使館のPO(プログラム・オフィサー)に就任したことだ。本番のナマステ・インディアに先立ち、女川で行われた記念すべき第一回ナマステ女川は大盛況のうちに幕を閉じたという。震災から5年。インドと女川の関係は徐々に広がりを見せはじめている。

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