震災から8年目の今年。印日友好フォーラムが2019年11月13日インドの首都ニューデリーで開催された。このイベントは毎年定期的に開催されており、今回のテーマは『グジャラートと福島災害の振り返り:回顧と展望』だった。パネリストは以下の通り。
グジャラート大地震(2001)について
川根友:日本国政府より派遣された日本の災害救援隊を、現地インドでコーディネートするコーディネーションチームのメンバー。
ラバニェンドゥ・マンシン, IAS:カッチチーフコーポレーションコーディネーター
ウダイ・バハヌ・パタナヤック:建築家、ブージ病院建設部門所属(カッチ災害当時)
福島災害について(2011)
アロック・アワスティー:インド国家災害対応部隊
平本謙一郎:東日本大震災津波伝承館解説員
アロック・プラサド:前在日インド共和国全権大使
ラウンド・テーブル・セッション
松本勝男:JICAインド事務所長
FICCI災害救援室
アショーク・ジェイン:MOSAI
まとめ:アロック・プラサド大使
閉会の言葉:スシーラ・ナーラーシムハーン教授
(協力:MOSAI;印日友好フォーラム;インド文部省奨学金協会)
以上が主な登壇者とプログラムだった。当時は岩手県復興局震災津波伝承課に所属しており、このフォーラムでは東日本大震災と宮城県女川町の被害状況およびインド国家災害対応部隊の活動や、2019年9月に開館した東日本大震災津波伝承館の概要について、お話をさせていただいた。発表ではインド国家災害対応部隊が活動した宮城県女川町、東日本大震災津波伝承館が開館した岩手県陸前高田市の位置について、意識しながら説明を行った。というのは、今回のフォーラムのタイトルからもわかるように、東日本大震災=福島災害という誤解と誤認の構図が、歴然と存在していたからである。「東北地方太平洋沖地震」=東日本大震災の状況をより正確に伝えるためには、岩手・宮城・福島の被災3県について、語ることができなければ、本当の意味で東日本大震災を語ることにならないのではないか?インドでこの状況ではおそらく他国でも、東日本大震災の認識については、同様なのかもしれない。だとしたら、その部分を正しく伝えていく必要がある。そう強く思った。
そして、もう一つの話題として、今回のフォーラムで一緒に登壇をさせていただいた、インド国家災害対応部隊元隊長、アロック・アワスティ氏との7年ぶりの再会でした。フォーラム終了後にニューデリーにある隊長のご実家に招待され、初めてご家族と対面、日本へ来たことがなく、日本という国に興味津々のご家族に、持参したパソコンで、震災当時の宮城県女川町と、岩手県陸前高田市に開館した「東日本大震災津波伝承館」の様子を、写真や動画の資料なども交えて説明をさせていただいた。そのあとは隊長のご自宅から車で15分くらいの日本料理レストランで会食する機会を得た。
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翌日は今回のフォーラムの立役者でもある、川根友さんの案内でデリー大学とネルー大学をそれぞれ訪問。ネルー大学では学生を対象とした20分程度のレクチャー、川根さんと一緒に行なった。そのあとはそれぞれの発表内容についてのディスカッションも行なった。とても有意義な時間だった。
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